お知らせ・活動報告

お知らせ・活動報告

抽出自立活動

【抽出自立活動について】
  児童生徒一人一人のニーズに具体的に対応するために、本校では開校当初から抽出自立活動の指導を行っています。
 具体的には、抽出自立活動担当(自立活動部)との1対1の個別学習を基本として(小集団や朝自立等もあり)、
コミュニケーションや身体の使い方、落ち着いて活動する等の個々の課題に対し、指導をしています。
 指導時間数は、週2時間の指導時間を基本とし、学級担任と相談して時間割を決めています。
また、指導期間は1~2年とし、1年間終了後の年度末に継続について検討を行っています。
 「学部の自立活動」を支援する役割を担っています。

【平成29年度の抽出自立活動について】
 ①じっくりと関わりながら実態や課題をいろいろな面から見極めた指導を行ったほうが良い児童生徒や
  集団の中では効果的な学習が難しい児童生徒等に対し、指導を行っていきます。
  各学部で対象者を検討し、決定します。
 ② 中学部・高等部の抽出生徒は、「学部の自立活動」の他に「抽出自立」を週1~2時間
   小学部の抽出児童は、「学部の自立活動」の他に「抽出自立」を週1時間設けます。

【指導方針】
・個別の指導計画に基づき、本人及び保護者の願いを加味しながら、個々の実態に即した指導方針、指導目標を設定しています。
・児童生徒の興味関心のあるもの、児童生徒が分かりやすいもの、学級や家庭でも取り入れやすいものを中心に指導内容や学習環境を設定しています。
・学習を通して、単に「○○ができた、できない」ではなく、それまでの過程ややりとりを大切にしながら、個々の課題に取り組んでいきます。
・身につけた力を環境(場面・場所・人)が変わっても発揮できるように、学級担任や保護者との連携を図り、生活

 場面や集団での学習場面での指導につなげるように努めています。


【基本的な学習活動のポイント】
・児童生徒の主体性を大切にして、やりたいものを選択させたり、順番や回数を決めさせたりします。
・ひとつの活動の「始まり」と「終わり」をはっきりさせ、児童生徒に分かりやすくします。
・「やる・やらない」等の意思表示(やりとり)を大切にします。
・楽しいと感じること、人とのやりとりの楽しさを共有し、満足感・成就感を大切にします。
・児童生徒がわかりやすいコミュニケーションの方法を考慮します。(表情、具体物提示、サイン、写真カード、絵カード、文字など)


【保護者との連携】
・連絡帳
 抽出自立活動での学習のねらいや様子を、クラスの連絡帳を通じて簡単に伝えています。家庭での様子等を伝えてもらい、家庭生活へのアドバイスを行っています。
・保護者参観
 年1回の参観・懇談を実施しています。実際の指導の様子を見ていただき、指導のねらいを確認したり、家庭生活に生かせることを一緒に考えたりします。

各学部の授業に参加

各学部の授業に一緒に参加しながら、担当の教員と一緒に考えて指導しています。自立活動の視点から学習内容や支援の方法についてアドバイスを行います。
  尚、平成25年度から全学部で『自立活動』の時間が位置づけられました。学部・学年の要請に応じて、全ての学部・学年の授業に参加し、共に指導をしています。
 主体性や意欲を育てながら、個別の課題に迫る指導・支援を行うようにしています。


【平成29年度の取り組み】
小学部
・日常生活学習「給食指導」
・じりつ(1年・2年・3年・4年・5年・6年・重複学級)
中学部
・自立活動A・B(1,2,3年)
・課題別学習(1,2,3年)
高等部
・自立活動(1年・2年・3年)
・生活型自立活動(1年・2年・3年)

のびのび自立

職員の研修の場として、休憩時間を利用して
月1回程度、教材・教具の紹介をしたり、その
活用方法を研修したりしています。

【平成26年度の取り組み】
・粗大運動遊具の使い方
・認知学習のための教材・教具の紹介
・ストレッチポールの活用
・楽器・音楽を使った自立活動
・自立活動に活かせる集団遊びの紹介

保護者学習会

保護者からのニーズもあり、平成17年度から、自立活動に関する保護者学習会を企画して実施しています。 保護者のニーズを把握して、テーマや学習会の方法(講義・体験・座談会)を工夫して、年に2回実施しています。
 
【平成26年度の取り組み】
 1学期末に第1回、2学期末に第二回の保護者学習会を開催しました。

 第一回「心と身体のストレッチ」

 ストレッチポール体操、バランスボール体操、じりつ体操、シナプソロジーの実技を行いました。身体と頭をたっぷり使ってリフレッシュし、心もリラックスできた学習会になりました。

第二回「親子で楽しくコミュニケーション」
 目白大学で専任講師をされている言語聴覚士の後藤多可士先生によるご講義をいただきました。親子でコミュニケーションを楽しむために言語の発達の基礎をわかりやすく解説していただきました。

自立活動研修会


自立活動の指導の充実を図るために、職員向けの研修会を行っています。大学の先生等を講師に招き、授業研究や事例研究等を行っています。

 

【平成25年度の取り組み】

 本校の重点目標1「個に応じた指導、自立活動の充実を図る」を受け、各学部の自立活動の状況やニーズを考慮し、
今年度は『コミュニケーションの力』にスポットを当てて研修を行いました。
  • 【テーマ】
     『コミュニケーションの力をつけるために、何が必要か』 ~将来を見据えた自立活動の実践を目指して!!~
  • 【講 師】
     和光南特別支援学校 小池八重子教頭先生
  • 【内 容】
    [1]抽出自立活動参観 [2]研究協議(3分科会) [3]全体報告会                                                         [4]講義『知的障害特別支援学校における自立活動の意義と実践例』  ~コミュニケーションの力をつけるために、何が必要か~
 普段なかなかできない抽出自立活動の指導場面を実際に参観してもらい、分科会の中で児童生徒の実態や課題の
捉え方、自立活動の内容や具体的な支援方法について協議しました。
 
 また、本校(当時)や埼玉県教育委員会、現場と行政の双方で勤務経験を持つ小池先生からは、
  • なぜ、自立活動を行うのかを再確認
  • 児童生徒本人の『困難さ・課題』の背景原因を考える 
  • 『個々の状態』『合意』『対峙』『ルールの理解』『達成感・満足感』が指導の鍵
  • コミュニケーションの力をつけるために、『かかわり手のあり方』が重要
  • 伝わる喜び、安心感、共感性・共有性、自己選択・自己決定を大切に
ということを、実際の指導事例の紹介やご自身の指導経験を交えながら、具体的にお話し頂きました。そして、社会で生き抜くためには、困難を乗り越える力が必要で、そのためには『自己肯定感』を育む指導が大切、ということを教えていただきました。