お知らせ・活動報告
第2回 のびのび自立
6月30日(金)の放課後に、校内の教員向けの「のびのび自立」(ミニ研修会)を実施しました。
今回のテーマは「スクーターボードで養える感覚について」です。
スクーターボードですが、「固有感覚」「前庭感覚」を養うのに自立活動の授業等でよく使われている教材です。
揺れや回転の活動紹介をしたあと、実際に体験しました。
回転の際に、頭の向きを「前」「後ろ」「横」など向きを変えるだけで感じる刺激が異なることも実感できました。
最後には、ボディイメージを養う活動として輪くぐりゲームを行いました。
令和5年度 第1回 自立保護者学習会
7月13日(木)令和5年度1回目の自立活動保護者学習会を実施しました。
講師は本校非常勤講師で理学療法士の矢作公佑先生をお招きして行いました。
テーマは「生活に必要な動きって実は難しい!?」です。
今回は生活動作の中でも『靴を履く』『書く・描く』を取り上げて、身体のどの部位がどう動いて、どのように連動しているのかを一つ一つ丁寧に解説していただきました。講義中、実際に効果的な動きや動作を体験することで、理解が深まった様子でした。
後半は、タオルを用いて体操を行いました。肩甲骨やお尻、口のまわりの体操を全員で体験をしました。自宅や学校でも簡単にできる体操なので、さまざまなところで取り組んでいけるとよいと思います。
短い時間ではありましたが、充実した学習会になりました。保護者の皆様もお忙しいなか、ご参加ありがとうございました。
第2回目は11月20日(月)の予定です。
高3重複学級 自活授業
●それぞれの特性に合わせた授業を行なっています。「歩行における身体のバランスと体幹強化」を目指している生徒には、指示された物を正確に運ぶ「運び学習」の後、「バランススティック」に取り組みました。2本平行に並べたものから一本橋、一本一本を離したものからそれを斜めに置いたもの(写真)…等、系統性を持って実施しました。生徒は、他教科と違って視点安定し、スティックから落ちないようにしようとするがんばりを見せてくれました。
●「ひらがなの認識向上」を目指しているいる生徒は、「ひらがな積み木」に取り組みました。5種類のひらがなから指示されたひらがなを取り教員に渡す、積み木の裏に書いてある絵の名称を問題として質問しそれ答えて教員に渡す、積み木で示された友人や教員の名前を3択問題で答えたり、友人や教員の名前を積み木で作成する課題(写真)まで実施しました。段階的にゆっくりの進度で行なうことにより、定着しやすくなりました。
●「意思疎通の向上」を目指している生徒は、「指示された色の玉を穴に入れよう」に取り組み、言われた色を次々にすぐ認識し、手を伸ばして取り、穴に入れ込むをとても集中して実施できました。ウォーミングアップとして行なっています。指示された玉の色がない場合、肩をとんとんをして「困っている感情」を表し、再度すぐに続けられるように取り組んでいます。
●「指先の巧緻性向上」も目指している生徒は、入り口の小さな穴に玉を入れる、穴を棒に通す(手首の捻転)動作を繰り返し取り組んで、動作への慣れも目指しています。 入れる瞬間や差し込む瞬間に手の震えがあることも本人も自覚しており、それに対してもとても真摯に取り組んでいて、諦めずに一生懸命やろうとする姿勢を褒めつつ、見守っている現在です。
令和5年度 自立活動部主催全体研修
8/30(水)臨床心理士の遠藤先生を講師に招き、「子どもの主体性を引き出す環境整備」を大きなテーマとして掲げ、研修会を行いました。
前半は遠藤先生より、「子どもの行動に影響する環境刺激」をテーマに、ASDやADHDを例に挙げながら子どもたちの情報処理の仕方や刺激に対する特徴的な行動について、物的環境整備や「人的刺激」(普段子どもと関わる人自体も刺激になりうる)についての、専門的なお話を伺うことができました。
後半は、「子どもへの人的支援を考えよう」をテーマに、2人1組のロールプレイを行いました。先生役と子ども役に分かれて、「過度な人的刺激を与える支援」と「人的刺激を控えた支援」の2パターンを実際に行い、それぞれの支援をどのように感じたかを話し合ってもらいました。
最後に遠藤先生から、「行為の中の省察」というお話がありました。お話の中での「行為の中の省察」とは、教師(支援者)が子どもと関わりながら、自分の行動を客観視して、自分の行為に対して「子どもはこう感じているな」「こう反応しているな」とつぶさに気づき、子どもに合わせてアプローチを柔軟に変更していく、対人援助技術の一つだそうです。
常に情報が飛び交う変化の激しい今の時代だからこそ、改めて対人援助職の基本に立ち返り、人と人が関わることの大切さや難しさを「環境整備」というテーマの中から深く考えることができました。
【自立活動】教職員研修
9月19日(火)教職員研修を行いました。
講師は本校非常勤講師で作業療法士の小川恵美子先生をお招きして行いました。
テーマは「学習や生活動作における困り感と体の関係〜発達の土台となる感覚の理解について〜」です。
感覚統合理論をもとに「目の動き」「前庭感覚」「触覚」「固有感覚」について具体的なお話がありました。
講義中に体験活動も行い、動きを通してどういった感覚になるのか、手で肌を触れる際、触り方の違いでどういった感覚になるのかなどを感じることができました。
今回の講義で学んだ感覚の部分に課題があるお子さんも多いので、さまざまな角度からアプローチや指導支援をしていければ良いと思います。短い時間でしたが、学びが多く充実した研修会になりました。
第3回 のびのび自立
10月6日(金)の放課後に、校内の教員向けの「のびのび自立」(ミニ研修会)を実施しました。
今回のテーマは「ストレッチポール」です。
先生方にストレッチポールに乗ってもらいながら、その効果を体験してもらいました。
肩回り→背中→腰→股関節の順に、各部位にアプローチできる動作を行っていきました。
ストレッチポールの効果の感じ方として、全ての動作を終えた後に、ストレッチポールから降りて、床に寝てみると、背中全体が床にくっつくような感覚を味わえます。
15分~20分程度乗り続けるだけでも、効果が出てくるので気になる方は、ぜひ体験してみてください。
高等部自立活動学習会
10月26日(木)高等部自立活動学習会を行いました。
講師に作業療法士の小川恵美子先生をお招きして、「事例から見る作業学習での効果的な指導について」というテーマで進めていきました。
生徒が作業学習に取り組んでいる様子を動画で見たあとに小川先生から解説や資料を用いての講義をしていただきました。
その後は作業班ごと(木工、窯業、手工芸、農園芸、きのこ、リサイクル、清掃事務サービスの7班)に分かれて、グループワークを行いました。「〇〇の活動ならできる」「〇〇なアプローチが必要だ」などさまざまな視点からたくさんの意見があがりました。
最後には各班で出た意見を学部内で共有することで、現在とは違った作業内容の考案、環境整備の重要性を再認識することができました。
小学部重複6年生 自立活動の様子
文字の学習に必要な力を育てる自立活動
【ねらい】
・文字を読んだり、書いたりするために必要な力を自立活動で身に付ける
①文字を認識する(読む)ために必要な力
*本児童は書きなれた文字でも、細かな部分の形や構成が曖昧なことが多い(写真1)
→細かな部分に注目しながら全体の構造を把握する力(細部視知覚と全体視知覚の整理)
活動A:分割パズル(6~8分割)
はじめは絵がつながりそうな部分を手元で合わせて確認していたが、上達してくると
左上に基準になる1枚を貼り、そこから絵を完成させていくようになってきた。
活動B:マグネットを使った位置把握
角のマグネットを基準にして、横に〇個等を指さしなどで数えながらやっていたが、視て確認することが
できるようになってきた。
②文字を書くために必要な力
*文字を立体的なイメージで捉えることが難しいため、慣れない文字は線を交差させずに書くことがある。
→平面の絵を立体的にとらえて、ブロックで構成する力(空間認知の向上)
活動C:平面の見本での具体物の操作
横や縦に並べることは初めからできていたが、面がくっつかない構成や見えていないところのブロックを
想定して積むことが難しかった。実際に作ったり、作ったものを分解することで、スムーズに行えるよう
になってきた。
☆今回は、文字の学習を支える力として紹介しましたが、視る力や認知処理の方法が整理されることで、生活の中でも球技等の運動に積極的になったり、活動に集中したり注目したりする時間が増えたりすることも期待しています。
令和5年度 第2回 自立保護者学習会
11月20日(月)令和5年度2回目の自立活動保護者学習会を実施しました。
講師は本校非常勤講師で言語聴覚士の後藤多可志先生をお招きして行いました。
テーマは「子どもと楽しく関わろう!~子どもに合ったコミュニケーションは何だろう?」です。
今回は事前に保護者の方からいただいた質問を交えながら、後藤先生に講義や解説をしていただきました。「ことば」の獲得についてでは、ことばを獲得するまでには過程があり、子どもたちがどの段階にいるのかを把握し、段階的にアプローチすることが大切。
「ことば」以外の発信方法によるコミュニケーションでは、①(マカトン)サイン②図形シンボル③VOCA等を紹介していただき、活用方法などを教えていただきました。
他にも、「会話の発達について」「発音が不明瞭について」のことにもお話をしていただきました。
最後には、質疑応答の時間を設け、保護者の方から困っていること、疑問に思っていることの答えていただきました。
短い時間ではありましたが、充実した学習会になりました。保護者の皆様もお忙しいなか、ご参加ありがとうございました。
【小学部重複2年生】 自立活動の様子
【ねらい】
・粗大遊び、感触遊びを通して、体幹を支える力や皮膚で物を識別する力をつける
・分かる活動を中心に物を操作する力をつける
・サインやカードを用いた活動を通して、自分の要求や気持ちを表現する手段を増やす
〈活動① ふれあい体操〉
部屋を暗くし音楽をかけた環境で児童は横になり、身体の各部に教員が「圧刺激」を入れていきます。皮膚からの刺激を受け入れられるようにし、触れられている箇所に注意を向けられるよう練習をしています。注意が向きやすいように触れる場所を少しずつ変えたり、ボディイメージが付きやすいよう目に見えるように触れたりしています。
〈活動② スクーターボード〉
キャスターが付いたボードの上に児童が乗り、引っ張る活動です。体幹の鍛えることや平衡感覚の発達を促すことをねらいとした活動です。体が落ちないようにしっかりとタオルやフラフープを持って乗ることができるようになってきました!
〈活動③ まねっこピーナッツ〉
ハンドサインでのコミュニケーションにつながる活動です。「コップ」や「ぼうし」などの写真カードを見て、対応する体の部位に触るポーズをしたり、教員の動きを真似したりします。教員とのやり取りを楽しみながら、言葉・意味・動きの結びつきを意識したり、大きな模倣ができるよう練習しています。